iwamanteの車窓から

世界一周中。世界のわんにゃん展を開催すべく世界を駆け回ってます。眠そうな犬フェチです。見つけたら連絡ください。

ルクソール、ジジイの餌食になる

さて、ルクソール1日目。

maps.meにさしたピンに向かうも、あれ!違う!ここじゃない!

「エクスキューズミー」

「アイ ヘルプユー」

「ワッツ ユアーネーム」

これ意外の英語を知らないんじゃないかと思うくらい、これしか聞こえない。

どこだ!

あの有名な日本人御用達の宿はどこだー!

奴らに聞くのは勇気がいる。

どこかに連れていかれたらどうしよう。

いやでも聞くしかない。

このままでは日が暮れる…

自問自答すること10分。

仕方ない、聞くか。

ひとりごとを言いながらフラフラしていたアジア人を見つめる多くの人の中から、決めた!

あいつだ!

なんか感じの良さそうな兄ちゃんに聞いてみると、あーら不思議!

あっという間に目指してた宿じゃない!

案内してくれたのは宿のオーナーではなく、ビジネスパートナーだという男。

部屋に案内されるや否や、お腹空いた?喉乾いた?屋上にテラスがあるからそこで休む?まあよく喋る。

こまめに「結構です」って言ってみたけど、全然ダメだった。この押しの弱さにいつも失敗してたじゃないか!なんでここで押し切らなかったんだバカ!とこの時の自分を振り返ってみても、時すでに遅しだったのだ。

結局、コーラに釣られたわたしは夜の8時にテラスで待ち合わせね!という強引な約束にウン、と言ってしまったのであった。

移動で疲れていたわたしが目覚めたのは夜7時半。ご飯を買いに外に出ようと思い外に出ようとしたその時。

レセプションにいた奴と目が合ってしまった…

「ご、ご、ご飯を買ってくるよ…!」

「僕も一緒に行くよ」

「いや1人で行けるよ」

「エジプトの夜は危険なんだ、スーパーマーケットもオススメのコシャリ屋も教えてあげるよ」

またもや押されて、じゃあ、と言ってしまった。

宿に戻ってきたのは丁度8時。

レセプション前にはテーブルとイスのセットがある。

よし、ここなら人目があってよさそう!

「上まで上がるのは大変だから、1階で食べるよ」に対して、

「ここはWi-Fiが弱いし、宿のお客さんはみんなテラスで食べるよ」

ああ、そうなんだ。じゃあ、とテラスに続く階段を登る。

(Wi-Fiとみんなというワードにまんまと引っかかる)

宿に新しいお客が来たため、奴は来ない。

1人で買ってきたご飯を食べ、部屋に戻ろうとしたその時。

ピザとコーラを持ってやって来た…!

(くっそう、コーラおせーよ)

やつは隣に座る。わたしはやや距離を置く。

やつはおもむろにピザの箱を開け、はいどうぞと一切れ渡してくるではないか!

いや、そのピザさっきすれ違った欧米人客の食べ残しやないかい!

あ、うん、ありがと。(1枚目は普通にあげる作戦だったことを後で知る)

じゃあ、と立ち上がろうとするも、まだピザあるよ!もう1枚どお?と聞いてくるではないか。

いえ、大丈夫です!と断ろうとしたその瞬間

「あーーーーーん」(日本語)

え?それって初々しい付き合いたてのカップルがキュンキュンしながらやるやつですよね??

え?なんでその日本語知ってんの?

いや大丈夫ですと繰り返すも相手は引かない。とりあえず「あーーーーーん」で貰うことにした。

もうこれだけでお腹いっぱい。

だがしかし、やつは会話を進める。

「君、子供はいるの?」

って、子供いたらこんなのんきに旅してねーわ!

「じゃあ結婚は?」

「彼氏は?」

おきまりの、この質問にいつも通り答えていく。

すべて「いいえ」を言い終わった時にはもう目がキラッキラしてた。

「いやでもね、わたし好きな人がいてね、彼の名前はヒカルくんっていうんだけど…」

と言いかけた途端、

「その恋は叶わないよ」

って、おいおい

そこは、そっかあ、応援してるよ!でしょ?

わたしの恋を応援してくれないなら、怒って帰っちゃうよ!

っと、帰ろうとしたとき、

「エジプトの日差しは強いから、肌焼けちゃった?」

ああ、そういえば日本でてから焼けたなあなんて思いながら肌をさすると、どれどれと言わんばかりに腕を握ってくる。

これにはすかさずNoNoと振り払う。

それから、怪しいタバコをふかし始めるやつ。これはマリファナと違って、キマりすぎないんだ!とか何とか言っている。

なんだなんだ?目がキまってきたぞ。

そして急に口元に視線を感じる。

「君の唇、かわいい形してるね」

あ、ありがとう。

「気持ちわりーから見んなクソジジイ」

なんて言えるわけなく、その場を立ち去ろうとした瞬間、

目を閉じて口を尖らせたジジイが目の前にいるではないか…

なんちゅー光景。わたしは大好きな片思いのヒカルくん(仮名)の姿を重ねるも、幻影見てる場合じゃない!と我に帰る。

ヤバいぞこいつ!

変な奴に捕まっちまった!

とにかくここを出なければ…

「ごめん、今日は疲れてて眠いからもう部屋に戻るよ」

「まだ夜の10時だよ!夜はこれからだよ???」

「日本人はみんな早く寝るんだよ、じゃあおやすみなさい」

やつは怪しげに言った。

「また明日の夜8時にここで」

誰が来るんじゃいこのエロクソジジイ!と翌日チェックアウトしたのであった。

とにかく、ルクソールの宿はブーメランをオススメします。

その手前にある水色の宿はやめておいた方がいいです。特に女子1人。